慢性骨髄性白血病の治癒率

6.治癒率

1)慢性期
(1) 化学療法(ハイドロキシウレアなど)
平均的な生存期間は4~5年で、これだけでは急性転化までの時期を遅らせることは困難で、治癒はほとんど得られないと考えられています。

(2) インターフェロン療法
有効な場合では治療開始後半年くらいで効果があらわれ、ときに白血病細胞が消失します。多くの方で慢性期を延長する効果があります。これだけで治癒できるかどうかに関してはまだ結論が出ていません。

(3) グリベック
有効性は高く、これまでの欧米で行われた臨床試験の成績によると、インターフェロンが無効な場合でも3ヶ月以内に約90%の方において通常の血液検査が正常になり、6ヶ月程度で約30%の方では染色体異常も消失しています。しかし、このことが長期的な治癒につながるのか、また後に移植を行っても悪い影響がないのかなどに関しては、現時点ではわかっていません。他の薬剤との併用療法の有効性と安全性に関してもまだわかっていません。

(4) 造血幹細胞移植療法
移植をしてもすべての方が治るわけではありません。再発することもあれば、移植治療の合併症のために不幸にして亡くなられる方もいます。治癒率は、年齢やドナーの種類によって異なり、HLA一致の同胞(兄弟姉妹)がドナーの場合には50~70%の治癒が期待できます。非血縁ドナーからの移植の成績は、HLA一致の同胞からの移植に比較するとやや劣ります。いずれも、診断後なるべく早く造血幹細胞移植を受けるほうが治癒する可能性が高いと考えられています。ただし、移植では抗がん剤の副作用、移植後の免疫反応(移植片対宿主病、GVHD)や重篤な感染などの治療関連死が10%~20%の方におこりますが、その多くが移植後3ヶ月以内におこることは承知しておく必要があります。

(5) ドナーリンパ球輸注療法(DLI、DLT)
造血幹細胞移植後に慢性骨髄性白血病が再発してしまった場合に、成分献血とほぼ同様の方法で、同じドナーの方からリンパ球成分を採取して、これを患者さんに輸注すると、抗がん剤などを用いなくとも、約80%の方でまた長期の寛解状態(病気の細胞が消失した状態)にすることができます。現在は、骨髄バンクを介した非血縁からいただいた場合でもドナーの方からリンパ球をいただけるようになっています。ただし、移植片対宿主病(GVHD)や白血球が減ったりして重大な合併症が出現することがあるので、慎重に行われます。

2)移行期
造血幹細胞移植療法では30~40%の方に治癒が期待できますが、これ以外の従来の治療では、結局は次に述べる急性転化期に移行し、移行期と診断されてからの平均生存期間は1年以下とされています。

欧米の臨床試験の成績では、グリベックによる治療を行うと約60%の方で通常の血液検査が正常になり、約20%の方で慢性期に戻り、約15%の方では染色体異常も消失します。効果は治療開始後1~3ヶ月くらいで見られ、約60%の方で9ヶ月もの間病気の進展が見られなくなりました。

3)急性転化期および髄膜白血病
造血幹細胞移植療法では約10%の方が治癒を期待できますが、これ以外の従来の治療での平均生存期間は6ヶ月未満とされています。

欧米の臨床試験の成績では、グリベックによる治療を行うと急性転化期における効果は治療開始後約1ヶ月で見られ、約20%の方で慢性期に戻り、約5%の方では染色体異常が消失しました。ただし、病気が治癒するかに関してはまだわかっていません。

※国立がんセンター「慢性骨髄性白血病」より

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